価格高騰が止まらない「カカオ豆」、チョコレートは贅沢品になるのか

2024年2月18日に掲載したコラムでも取り上げた「カカオの高騰」の続編です。

掲載時の内容は「カカオ豆の先物価格が2月8日に5392ドル(1トンあたり)をつけ、過去最高値を更新した」というものでしたが、カカオ豆の高騰はコラム掲載後も続いています。

先物価格は一時1万ドルを超えており、現在のカカオ先物は2023年以前の4倍前後の水準となっています。

カカオ豆の主要な生産地はその多くがアフリカ諸国に集中しているなか、現地の生産地では天候不順や病原菌の蔓延などによって生産量が激減しており、これが供給不足に繋がっています。

また、ロイター通信は「金の違法採掘」もカカオ生産に悪影響を及ぼしていることを伝えています。金価格が現在、史上最高値圏にあることを背景に、アフリカでは違法な金採掘業者が勝手に農園のカカオを伐採し、土壌を掘り返すという事件も多発しているそうです。

インドネシアやエクアドルなど、アフリカ以外にもカカオの生産地はあるものの、これらの国だけでは世界の需要量を賄うことは到底不可能です。

ロイター通信は、2024年後半には西アフリカ諸国の収穫量激減が実際に消費者を直撃するとのアナリストの意見を伝えているほか、「チョコレートバーは贅沢品になる。手に入っても価格は2倍になる」と、今後の急激な値上がりを予想する専門家の見解も紹介しています。

高騰しているのはカカオだけではなく、チョコレートに必要な「砂糖」の価格も同様で、私たちにとって身近なお菓子であるチョコレートは今後、さらなる価格上昇を迫られるのは確実な情勢です。

専門家の言うとおり、チョコレートは今後、贅沢品になってしまうのでしょうか。日本ではバレンタイン商戦やホワイトデー商戦が終わったばかりですが、2025年のバレンタインではチョコレートの価格が大きく変化していそうです。